越前で焼物が焼かれ続けて、およそ八百五十年になります。中世から途絶えることなく続いてきた数少ない産地——日本の陶磁史の本流をかたちづくる、六古窯のひとつです。
ここで作られたのは、数寄者のための茶陶ではありませんでした。穀物を蓄え、酒を醸し、魚を塩蔵するための甕、壺、すり鉢。それらは日本海の沿岸を船で運ばれ、北は東北へ、南は関西へと渡り、越前焼は広い範囲の人々の暮らしの道具となっていきました。
同じものは二つとなく、装飾は一切ありません。魅力は土そのものと、火が残していった痕跡にあります。土質を生かした丈夫な器作りが続けられています。
この小曽原一帯の窯場は、窯と工房の集まる里になっています。博物館があり、現代作家の作品を展示するギャラリーがあり、木々のあいだに大きな陶のオブジェが点在する公園があります。



越前陶芸村は、鯖江の南、越前町の内陸の丘陵地にあります。
車での訪問が主となります。北陸自動車道・鯖江インターチェンジから約10分。このエリアの漆器や打刃物の工房と組み合わせたり、越前海岸のドライブをその後に行うことも可能です。
車をお使いにならない場合、最寄り駅はJR北陸本線の武生駅で、そこからタクシーで約20分。バスの便は限られています。
博物館と工房をあわせて、二時間ほどをみておいてください。陶芸体験もあり、多くは事前予約が必要です。ろくろを試してみたいとお考えでしたら、早めにお知らせいただければご案内できます。
