越前大仏

日本の大仏の多くは、数百年の時を経てきたものです。この大仏が完成したのは、1980年代の後半でした。

大阪で事業を成功させた勝山出身の実業家・多田清氏は、生まれ育った土地に何かを返したいと考えました。そうして建立されたのが清大寺です。現代の日本ではめったに試みられることのない規模の伽藍であり、その中心に、奈良の大仏をしのぐ高さの坐像が安置されています。

その規模にもかかわらず、訪れる人は長く多くはありませんでした。長い歴史を持たないこと、そして日本人が寺に古さを求めてきたことが、その理由でしょう。しかし近年、状況は変わりつつあります。大仏を囲む壁面に千二百体を超える小仏が並ぶ堂内の光景がインスタグラムで広く知られるようになり、近隣の恐竜博物館と合わせて足を運ぶ人が増えてきました。

建築そのものは、実に見事です。現在は臨済宗妙心寺派の寺院となっており、境内の五重塔からは、勝山の町とその向こうに連なる山並みを一望することができます。

先入観を持たずに訪れれば、応えてくれる場所です。規模は圧倒的で、堂内は静かなことが多く、これほどの大きさの仏と一人で向き合うという体験は、いま日本の名だたる寺院でもなかなか得られるものではありません。

訪ね方

清大寺は勝山市街のはずれに位置し、恐竜博物館や平泉寺白山神社からも近い場所にあります。こちら三か所は、車があれば無理なく一日で回れる組み合わせです。

車の場合、中部縦貫自動車道の勝山インターチェンジから約15分、恐竜博物館からは約10分です。

鉄道の場合は、福井駅からえちぜん鉄道で勝山駅まで約1時間、そこからタクシーまたは路線バスで少し進んだところにあります。

所要時間は1時間ほど。五重塔に上られる場合は、もう少し余裕をみてください。